「みちばたの花」は

 野外劇団楽市楽座 地元公演『みちばたの花』  分かれ道。「幸」の方へ行くか、「苦」の方か。ドラゴンスター(長山現)とおサルのゴクウ(佐野キリコ)の旅芸人が言い争っている。「幸」の道へ行ったが、「幸福税」が取られる。せちがらい現実、「幸福税」の歌を聴きながら、それでもなんとかやっていく私たち庶民を想う。老いを感じとるドラゴンスターは、…

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生身の

 遊気舎『伝票と弾丸』  会社の人事に西部劇的なにかが絡み錯綜する。その場に立ち会う客席の私は酩酊するかのよう、いつしか。芝居はストーリィなんかではない、生身のからだのことだ。〈ヒヒィーン〉、馬を駆るその所作、声音がたのしい。  会社のもとめに応じて早期退職する経理部のベテラン、それが魔瑠だとはわからなかった。最後に魔瑠はまた現れ、…

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刻みつけるように

 堀川惠子『戦禍に生きた演劇人たち 演出家・八田元夫と「桜隊」の悲劇』(講談社)  ・不浄を嫌う神の島、宮島では古くからのしきたりで、遺体を焼くことが出来ない。連絡船も遺体を乗せられないことになっている。槙村と小舟を手配し、ずっしりと重くなった丸山を乗せた。むごいまでに晴れ渡った厳島水道を、漕いで進んだ。空も青い、対岸の山も青い、波一…

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