刻みつけるように

 堀川惠子『戦禍に生きた演劇人たち 演出家・八田元夫と「桜隊」の悲劇』(講談社)
 ・不浄を嫌う神の島、宮島では古くからのしきたりで、遺体を焼くことが出来ない。連絡船も遺体を乗せられないことになっている。槙村と小舟を手配し、ずっしりと重くなった丸山を乗せた。むごいまでに晴れ渡った厳島水道を、漕いで進んだ。空も青い、対岸の山も青い、波一つない潮はさらに青く、青く、青かった。 俳優、丸山定夫。よく学び、よく歌い、よく恋し、友を愛した。数々の舞台を天真爛漫に駆け抜けた。また、いい芝居をやってみせる―。そんな言葉を残して、新劇の役者は四四年の生涯を閉じ、小さな骨壺に納まった。/それは、長い長い戦争が終わった、夏の日の盛りのことだった。(301p「第十章 広島」) 
 ・通夜の帰り、通い慣れた木立ちの中を歩いた。もう二度と、往復することのない道。師走らしい冷え切った空気が吹きつけると、頬の上に引かれた一筋の線をひんやりと感じた。どうやら自分は泣いているらしかった。(338p「第十二章 骨肉に食い込む広島」) 
 本の最後に参考文献、69件。著者堀川の意気込みというか、この人が何故ここまで刻みつけるようにして書くのか。その彼女の背骨に私の意が傾く。
 本のカバー折り内側に著者紹介。
 「1969年広島県生まれ。ジャーナリスト。『チンチン電車と女学生』(小笠原信之氏との共著を皮切りに、ノンフィクション作品を次々と発表。―」

超人予備校(劇団) 第18回本公演『ロマングースの神様』
◣日時 2025年  10 月 3 日 (金) 19:30 
10 月 4 日 (土) 14:00 / 18:30 
10 月 5 日 (日) 11:00 / 15:30
会場 in→dependent theatre 1st 
◣チケット料金  ■一般 早割  3500 円(8/13~9/14)※早期予約割引  
前売り 3700 円(9/15~)  当日 4000 円 
ロマングース おもて.jpg
ロマングース うら.jpg

田口哲予約フォーム
https://ticket.corich.jp/apply/392899/010/

この記事へのコメント