小さく小さく

 先輩が後輩の耳にピアスの穴をあけようとしている。後輩が、先輩にあけてくれとお願いしてのこと。しかし、いざあける段になると後輩は身を逸らして逃げる。ピアスの穴をあける、その一点で彼女らの生き方、彼への憧れ・壊れた関係が晒されていく。ドーナツを一心に見つめたあと、いう。「穴は余白であり、それは余裕」と。何もない穴、そこに意味を見いだす感性…

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絵本のような

 月曜劇団『生ハムの原木』  芝居のはじまりは、街を行き交う人に声をかける女性新人社員。彼女には、1日100枚の名刺交換をするノルマ。会社は健康食品など販売している。シーンは、夜中通信し合う間柄の人達や夫婦でのもやもや。先の新人と先輩、上司。そして、猫の会議と入れ替わりながら。  栞に、作者西川さやかは〈今回も最近もやもや考えている…

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刺激的

 ジョルジュ・ミノワ(大野朗子・菅原恵美子訳)『老いの歴史 古代からルネサンスまで』(筑摩書房)  図書館の本は2週間借りられる。他に借りる(予約している)人がいなければ、さらに2週間借りることができる。それ以上借りる(期日までに読み切れない)場合は、図書館へ現物を持って行き、いったん返却した上で前回同様の形で借りられる。この『老いの…

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