「捨てる」こと

6月下旬、辰巳渚が交通事故で亡くなった。新聞記事で知った。 2013年2月に彼女の著書『新装・増補版 「捨てる!」技術』を読んだ。それまで、『「捨てる!」技術』がベストセラーになっていた頃、「捨てる」ことに何の技術がいるのだろう、捨てれば済む話ではないかとこの本の脇を素通りしていたものだ。それが、古書店でこの本を見かけ、読…

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対話があって

篠田一士(はじめ)『二十世紀の十大小説』(新潮文庫) 口調が面白い。純朴というか。この長編エッセーの書き出しは「タイトルを記してみて、いまさらのように、神をも畏れぬおおけなさというか、その阿呆らしさを、つくづく思い知る」。「おおけなさ」という言葉ははじめて出会う。だいたいの意味はとれるが、広辞苑で調べた。「おおけなさ」はなかっ…

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語りと役

〈空に星が凍りつく、寒い夜だった〉とあって、描写が続く。これが語りの箇所。そして、〈「うるるゥ、さぶ、さぶ…」〉と和尚さまのセリフ、これが役。(さねとうあきら作品『狐提灯』) 6月23・24日、縁劇フェス。公演前日の22日金曜日、場当たり及びゲネ。できるだけ、声を抑えて通した。すぐ、力んでしまうから。 翌23日、本番2時…

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