見せるⅢ

10月29日日曜日、『月亭文都独演会』(天満天神繁昌亭)。秀都「時うどん」、天使「皿屋敷」、文都「くしゃみ講釈」、川上じゅんの腹話術、文都「百年目」。満杯の客を笑わせてゆく高座の落語家は、いつしか客席の私たちとともに楽しむ。 私は文都となり、文都は私となる。私にも文都にも、積み重ねてきたものがある。それはここで、互いに目に見えない…

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見せるⅡ

縁あって、舞台『だんじり囃子』を見に行った。セリフがしっかりしている。ことに次男役の恋川純。ハリのある、通る声。ほれぼれする。 見終わった後、会場前を往ったり来たりしていた。 台本は台本でしかない。舞台を生かすのは演者だ。そのことを思う。 (10.16 なんばグランド花月内 YES THEATER)

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何か雨粒

  02年10月18日から20日、楽市楽座の野外劇に俺ははじめて出た。演目、チェホフ『かもめ』。場所、中之島剣先公園。最終日は雨。客席には屋根はあるが、舞台にはない。この芝居の最後の場で、俺は寝ている役。天から雨が降る。雨は線ではなく、点であって、雨粒ということを認めた。芝居がおわって、お客さんを送り出す。そのうち…

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