詩を語る

 かつて犯罪友の会の武田一度が俺にこんなことをつぶやいた。「俺らは詩を語ることはやってきたけれど、物語を作り出すには至らなかった」。  詩・ポエム、それは一瞬の叫び。命のほとばしり。しかし、時を映し出すことはなかった。武田はそういう風に言ったのか。いまになって、私は思いめぐらす。

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長田で十三で

 野外劇団楽市楽座『ドリームタイム』  長田の客のあたたかさ。長靴はいて出かけたよ。  毎年、この地で見るのがたのしみ。 (5.27 長田神社)  『94歳のゲイ』  誰にも言えなかった。それで、詩を書いた。生きる。  場内への扉はまだ開かれていず、私は通路のような待合いの壁にもたれていた。そこへ、脇の方から「ポ…

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開高健『日本三文オペラ』  

 開高健『日本三文オペラ』(新潮文庫)  自身たちのことをアパッチ族になぞらえて書かれた新聞記事に対して、住人のラバは叫ぶ。  「なんかってけっかる!」/と叫んだ。これは、なに吐(ぬ)かしてけっかるというべきところを、昂奮したために撥音便やらリエゾンやらが一度に作用してしまったのである。彼は(ラバ)はもう一度くりかえした。/「な…

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