行ける

 『冬の本』(夏葉社)  「小さな本を出したいね」/「小さいけれど、たくさんの人が書いている本」/「たくさんの人が、大切な1冊について書いた本」(編集部「はじめに」)  上記のような意向で作られた本。見開き2ページに1本、84人が原稿を寄せている。文章が素晴らしい、どの人も。小説家、写真家、イラストレーター、シンガーソングライター、…

続きを読むread more

小さく小さく

 先輩が後輩の耳にピアスの穴をあけようとしている。後輩が、先輩にあけてくれとお願いしてのこと。しかし、いざあける段になると後輩は身を逸らして逃げる。ピアスの穴をあける、その一点で彼女らの生き方、彼への憧れ・壊れた関係が晒されていく。ドーナツを一心に見つめたあと、いう。「穴は余白であり、それは余裕」と。何もない穴、そこに意味を見いだす感性…

続きを読むread more

絵本のような

 月曜劇団『生ハムの原木』  芝居のはじまりは、街を行き交う人に声をかける女性新人社員。彼女には、1日100枚の名刺交換をするノルマ。会社は健康食品など販売している。シーンは、夜中通信し合う間柄の人達や夫婦でのもやもや。先の新人と先輩、上司。そして、猫の会議と入れ替わりながら。  栞に、作者西川さやかは〈今回も最近もやもや考えている…

続きを読むread more